「……うっ」

「泣くなよ。
っていうか、そろそろ泣き止めよ」


もう既に夜9時を回ろうとしている頃。

いつまでもグスグスしている莉奈が、やっと俺から少し離れた。


お互いほとんど裸だし、俺は莉奈の涙と鼻水の被害にあっているし、本人もぐしょぐしょだし、とお世辞にも綺麗な状態とは言えない。


俺は自分のワイシャツを完全に脱いで、莉奈へ放り投げると、


「とりあえず、それで顔拭いて風呂、入ってこい」


と急かした。


莉奈が、まだ涙を浮かべた顔で、俺のワイシャツを掴む。

そして、それに顔を埋めると、


「お兄ちゃんの匂いだ…」


と、恍惚とした甘い声を出した。





「………」


ぐっ、と俺の中で何かが刺激される。


……や、だってさ。

コイツは、俺が何年もただひたすら我慢をさせられていた女なわけで。

もう他の女で性欲はらさなくちゃ、ヤバイぐらい俺は惚れ込んでいるわけで。

そんで、今、コイツ半裸なわけで。

それで、そんなこと言われたら、もう……。


そういう気分になるでしょうよ、男だもの。