「……は?」


莉奈よりも先に、間抜けな声をあげたのは俺だった。

その声がどうやら、電話の向こうにも聞こえたらしく、


『やべっ、誰かいんの?!
悪ぃ!』


と焦った声。

莉奈は急にゆるまった俺の手首を拘束する力から急いで逃れると、息を整えながら、


「ごめんっ、お兄ちゃん側にいてっ」


と言った。

その瞬間、「はあぁ!?」と、相良が怒ったような声をあげる。


『なにやってんだよ、オマエ!
兄貴にバレたの!?
意味ねぇじゃん!』

「いや、それは私の不可抗力で…」

『俺の作戦、超ムダ!
まぁ、俺も他校の彼女にさー、他の女の彼女役すんなっていわれちゃったし、ムリになっちゃったからいいんだけどー』


…つか、…は?

なに?


他校の彼女?

彼氏のふり?


え?なにこれ。

なんだこれ。


俺の知らないうちに話だけがドンドン進んでいく。



『てか、なに?
どうだったの、兄貴の反応。
やっぱムリそう?
でもさー、義兄妹は血繋がってなければ、結婚できるんだしさ』

「ちょっ……、亮!!
しゃべりすぎ!!」

『えっ!?
まだ兄貴の側にいるの!?
バカなの、おまえ!!』


……ちょっ…、え?

マジ……、これ、なに?