「おに…」
「それでなに?
オマエはそれで罪悪感をすっきり消去ってわけ?
冗談やめろよ…」
「ちが…っ」
騙されちゃ、駄目だと思った。
可愛い声に、すがるような目に。
こんな女の常套句みたいなものに、騙されては駄目だ。
だって所詮、他の男のものなんだ。
拒否された方がまだマシだ。
彼氏持ちの女に軽い気持ちで遊ばれるほど情けない男なんかいない。
本気だなんて……、思うな。
「お兄ちゃん……、あの…」
ベットの上で寝転がったまま、俺を見上げる莉奈。
組敷いているのは、俺。
「なに、驚いてんだよ」
……誘ってきたのは、オマエの方。
