まだ、俺の下にいる、莉菜。

俺の大好きな莉菜。



……こんなに好きだ。

今も、莉菜に狂ってしまうくらい好きだ。

いや、もう狂ってる。


でも、でもなんで今、こんなときに理性が働くんだ。

好きだって感情が邪魔をする。


傷つけて、何もかもめちゃくちゃにしたいのに、相手に笑っていて欲しいなんてどうかしてる。

どっちかしかとれないのに、どっちもじゃなくちゃ嫌だなんてどうかしてる。



「……悪い、莉菜」

「……え……」

「俺、ちょっと頭おかしかったわ。
ごめんな」


それでも。

それでも都合よく、莉菜の頭を撫でてその場所から退く理由は、結局俺は莉菜を傷つけることなんてできないんだという事実だけを教えてくれた。



例え俺が何百回傷ついても、莉菜を傷つけるのは嫌なんだ。




こんなに。

こんなに痛くても。