莉菜をぐっと抱き上げる。

ふっと離れた唇をチャンスと思ったのか、莉菜は


「待って、ハナシを聞いて!
あのね、わた……っんんっ」


下から唇をふさぎ、頭を抑える。

どうでもよかった。

口さえふさげれば。


他の男の名など聞きたくない。

俺を拒否する言葉など、いらない。

ほとんど強引にベッドに連れて行く。


どこか冷めた自分が未来を嘆いた。

でも、もうどちらにせよ、未来など無い。



「俺の部屋とオマエの部屋どっちがいい?」

「そんなのっ……」

「あー、俺の部屋汚いから、オマエね」


また口をふさいで、喋らせない。

こんなの多分、犯罪だ。

でも、もう恋をした時点で犯罪なんだ。



……あぁ、ここはなんて快楽にまみれた地獄の門なんだろう。