「はぁ!?
オマエに言われたくねぇよ、ムッツリ!」

「はん?」


俺と翼とでにらみ合っているとアサミがポツリと呟いた。


「そういえば、莉菜ちゃん?だっけ。
智也の妹。
この間水泳のプールの更衣室で一緒になったんだけどさー、あの子も胸大きいよねー。
智也見慣れてるんじゃない?」

「あ、そういうことかよ」


ポンッと右手の拳を左の手のひらにぶつける翼とアサミから目をそらして。


「ちげーよ」


と俺は力なく呟いた。


……見慣れるわけがない。

好きな女の胸なんて。

見慣れることが出来たら、どれだけいいだろう。