梅雨も明けた7月の真夏日、ヒロは仕事場に向けて車を走らせた。
今日は花火大会が行われる予定だ。

「ちぃ~っす」
「おぉヒロ!おはよ~」
同期の社員のマコトがワクワクした様子で近づいてくる。

「今日は楽しみだなぁ花火大会」
「あぁ?店に居たら花火も見えないだろ……」
「ちげぇよ!今日はレジとか若い女の子達が浴衣着て仕事するんだよ。どうだ?」

「楽しそうで何よりだ。俺は早く仕事が終わらないか願うばかりだよ」
「何だよ~相変わらずクールだなぁ」

「冷めてて悪かったな……じゃあ先行く」

ヒロはさっさと自分の持ち場へと歩いて行ってしまった。