市内にある病院にて、三日三晩寝通しのヒロ……
ずっと横についていた倫子は、今日もヒロ手を握りしめていた。

店の方は従業員達の頑張りもあって復旧は進み営業再開までもう少しのところまできている。
あまりにも酷い惨状にヒロ達の激闘振りが従業員全員の胸に刻み込まれた。

「ヒロ、早く声が聴きたいよ……」
「…………」

「マコトくんはさっき起きたよ。ヒロの事心配してた」
「…………」

「ヒロ……大好き」

寝たきりのヒロに顔を近付け、頬にキスをした。
「付き合ってもないのに……ずるいよね。起きたらちゃんと伝えられるかな」

一瞬、ヒロの手が倫子の手を握り返した。
「ヒロ……ヒロ!」
慌ててナースコールを鳴らし、看護師が医師と一緒に部屋に入ってきた。

一通り見終えた医師が部屋の外で待っていた倫子に話始めた。
「もう大丈夫。意識は戻ったから後はゆっくり休めば話も出来るだろう」

「あ……ありがとうございます!!」
部屋に戻った倫子は再びヒロの手を握った。