遠回りの恋

ーー金が手に入ってないと知れたらみんなが危ない……
「急ごう」

……………………
………………
……
「そろそろ終わった頃だろうな。おい、金は手に入ったのか?」

「ボス……ボス!!」
「何だ!」
「あの男に逃げられました。金も手に入ってません!」

「なんだと!!」
「お前の部下は使えないね~♪」

「三島くんっ!?良かった……」

「貴様、大人しく死んでれば良かったものを……」
ガシャッ

マシンガンを構える大男にタバコをくわえたヒロが立ちはだかる。
「お前に俺が捉えきれるかな?」

走り出したヒロは1階から5階まで吹き抜けになっている場所でエスカレーターを駆け登る。
「結局逃げるのか。オラオラ逃げないと打たれるぜ?」
バララララ……バララララ……バララララ……

ーー5階着いた。太陽は……吹き抜けの真上だ!
「逃げねぇよ」

5階から飛び降りたところ、マシンガンの銃弾も飛んできていた。
ヒロの頬をかすり、膝、腹、腕を撃ち抜かれ血を流しながら落ちてくる。

「みしま………………ヒロ~!!」
「うらぁあああ!!!!」

足を伸ばし降り下ろした踵は大男の脳天を捉えバキバキと音を立てる。
大男の頭蓋骨が割れる音を出し、その場で倒れる。しかし、ヒロも撃たれた衝撃で受け身が取れずに倒れてしまった。
動かないヒロにすかさず倫子は駆け寄る。

「ヒロ……ヒロ!!起きてよ……ヒロ」
「いててて……心配かけたかよ、倫子」
「うん」

「ちょっと疲れたな……起きたらまた、名前で呼んでよ…………」

「ったく……一人で強盗団を制圧しちまいやがった。とにかく……俺たちは助かったみたいだな」
捕らわれていた客や従業員から歓喜の声が上がる。