「重たそうですね。」

遠藤君がそう言って私の両手の荷物を指差す。

ペットボトルが6本もあるから、事実重い。

「持ちます。」

そうして、私の手からレジ袋を取り上げた。

「ええっ。いいよ。悪いよ。」

焦って断るけど、

「家、近いんでしょ。バイト終わりだし、送ります。」

わー。なんて紳士なんだ。

遠藤君と一緒にいられるんだし、ここは甘えてしまおう。

「じゃあ、お願いするね。助かります。」

はにかみつつそう言うと、遠藤君も笑顔で行きましょうと言う。

「家飲みって俺したこと無いんですけど、楽しそうですよね。」

「楽しいよ。気を使うような人とはしないしね。」

「仲、良さそうでしたもんね。昨日の人達。しょっちゅうやってるんですか。」

「ううん。たまに。三人共フリーの時で、次の日休みで予定無いってなると少ないよ。」

私、今遠藤君とこんなにしゃべってる!朝から幸せだー。

遠藤君の事、聞いても良いのかな。

そんなことを考えていたら、

「サラさん、ていうんですね。」

名前を呼ばれてどきりとする。

「え?」

「昨日、ドウジマ、サラ。って呼ばれてましたよね?」

聞いてたんだ!覚えてくれてたんだ!

すごくびっくりした。