だけど…次の瞬間
私の頬を伝ったのは涙。

「……あっ」

私は慌てて袖で拭いた。でも涙が次々と溢れ出て、止まらない……。

困ってるこいつを見てやっぱり面白くて…少し涙が引っ込んだ。

少し笑った私を見て、微笑む私の幼馴染み。そして、まだ頬を伝う水滴を、親指で拭いてくれた。

「……帰ろ」

「傍にいるのはあいつだけじゃない」

「ん?なんか言った?」

「なんでもねぇよ」