そんな僕を見て、若い女の店員さんは声をかけてきた。



「なにか、お探しですか?」


「あ、いえ!だ、大丈夫です!」


店員さんは首を傾げ、あっといった。


「この本、気になりますか?『優しさ』なんて珍しい書名ですよねー。私も読んでみたんですよ!なんですけど…」


「??」

そこで止められるととても気になってしまう。


「なんか、タイトルがよくわからなくって。優しさってなんなんだろうって思える感じの話でした」


少し、読んでみたくなった。

「あ、ありがとうございます。ちょっと気になったので、買ってみたいと思います」

「ありがとうございます!面白いことには面白いですよ」