さすがに、教室には戻れない。


初めて反抗したことに自分でも喜びを感じていた。

無我夢中で走っていた僕はドンと誰かにぶつかる。


「あ、ご、ごめんなさい!!!」


「だ、大丈夫ですか!?あ、君は朝の…」


ぶつかった相手は生徒会長。
朝の無様な行動を見られたんだと思うと恥ずかしい。


生徒会長は僕を立たせようと手を差し伸べた。

ありがたく掴まり、立ち上がる。

僕の顔が近づいた時、生徒会長はわずかに顔をしかめた。


「この臭い….......雑巾のような....」


鋭い。
恥ずかしくて立ち去ろうと思ったが、そんな隙も与えず生徒会長は顔を近づけ、手を握ってきた。


「イジメ、ですか?辛くなったら、僕たちがいることを忘れないでください」


心配そうな顔。
その顔が、とても邪悪なものに見え、僕はこう言った。


「上辺だけの心配はやめてください!あんたにこの辛さはわからない!!!」


手を振り払い、僕は逃げ出した。