平和な場所はどこだろう。

屋上?
いやいや、あそこは智史くんとその彼女が使用している。

トイレ?
臭い、だけど。
そこがやはり一番平和な場所かもしれない。
誰もいない場所。そんなレアスポットを探して今日も僕は1人トイレで菓子パンを齧る。



トイレに入ろうとすると後ろから蹴られる。


「便所飯、お一人さまごあんなぁい!」


渡辺悠人くん。
またきた。


「いっ!」

倒れ込んだ僕の頭に足をのせ、掃除用具入れから出してきたであろう雑巾で僕の顔と手を拭いた。


「きれいにしないとー。ご飯前でしょ?」


笑いながらそういう彼からは狂気を感じた。