「あ?なんだお前…」

「彼女嫌がってるからやめなよ、周りの人もたくさんいるよ」

そいつの言う通り、私が散々わめいたおかげで人がたくさん集まっていた。
中には電話を掛けようとしてる人までいる。

「チッ、…覚えとけよ」

そう吐き捨てて、男はどこかへ走っていった。

私は助けてくれた男をみて

「私、すぐ行くって言ったじゃない。私が来るの待ちきれなかったの?」

と、わざとらしく聞いた。

「勘違いすんな。いつもよりお前がくるの遅かったから様子見にきた。」

私の好きな人からそう言われ、ドキドキと心臓が鳴りだす。

「あはは、ありがとう、大河(たいが)」

「ん。…じゃあ行くか、俺の家に。」

「…うん」

そう、今日の予定というのは、こいつの家に行くこと。
ただ行くわけじゃない。
こいつの恋愛相談に乗るためだ。