そんなのいらない。【完】

『てか、お前何しに来たんだ?』


珍しく眉間にシワを寄せて低い声を出す公平。



『あぁ…何だか、昼間から仕事休みになって仲間と飲んでて…多分それで…フラフラしてたと…思う。』


たどたどしく答えるヒロト。


『お前、成長しねぇのな。』


呆れた物言いの公平にカチンときたのか、ヒロトが俯いていた顔を上げた。



『おっ、俺だって焦ったんだよ!まさか、理恵の部屋で寝てるとは思ってもなかったし…むしろ…いつもの癖っていうか…』



「いつもの癖って…?」



沈黙が続いた。