『はっ?ヒロトか…?』



最初に口を開いたのは公平だった。


少しずつヒロトに近づく公平の後を、私もゆっくりと歩いた。


「酔い潰れてるね…。」


『え?わかんの?』


「ヒロトは酔い潰れるとドアの前でよく寝てたから…。仕事から帰って来てよく、あの頃はビックリしてた…」


『そか…コイツどぉする?』


「死んじゃ困るし中入れる…」

そぅ言って、私はドアを開けた。


部屋の中はヒンヤリ、冷えている。

エアコンのリモコンを手に取り、暖房のスイッチを入れた。

生暖かい風が出てくる。



玄関を見ると、ヒロトに肩を貸す公平が靴を脱いでいた。


『コイツ、結構冷えてるけどいつから居たんかな?(笑)』


「知らないよ…。公平に呼ばれて部屋出る時は居なかったし…。」



『どぉする?寝室のがいいっしょ?』


「うん。そのままになってるから、放り投げとけばいいよ。」


公平が玄関に入ってすぐある部屋のドアを開けた。


『オイ、バカヒロト!ここで寝とけ!』

-ドサッ-


"本当に放り投げた(笑)"




寝室…。


そぅ、私のアパートは3LDKで結構広い。


親の知り合いが管理してるアパートで格安で借りていた。


ダイニングキッチンは対面式だ。リビングと言っていい位広い。

部屋はキッチンとの境目の冊子を外して広く使っていた。


寝室は玄関から入ってすぐ右側にある。そこにはキングベッドがあった。


ヒロトとの部屋…だった。