知らない間に1歩1歩と後ずさり、その場から駆け出していた。
涙がポロポロと頬を伝う。
行く当てもなく近くの公園のベンチに座るととめどなく溢れる涙を拭う事もなくただ泣いた。

私だって気持ちは本物なのに……。
私は永遠に大ちゃんには追いつけない。

自分の制服が目に入り、やり切れない思いで一杯だった。
大人になりたい。大人に……。

「仕方ない」その言葉が頭から離れなかった。
仕方がないから付き合っていただけ。私の我儘を聞いていただけ。
その事を思い知らせれ、ふふっと自嘲気味な笑みがこぼれた。

私だけがいつも我儘を言って困らせていたんだ。

その現実を初めて知った。