ずっと『好き』と言葉に出したり、部屋に押しかけたりしてきた。
しかし、いつも言われる言葉は『大人になったらな』。
大人っていつ?そんな疑問ばかりが膨らんでいく。

いつまでも妹扱い……。

大きくため息をついた私を見て、翠もため息をついた。

授業が終わるとすぐにLINEを送った。
【大ちゃん、今日大学は?】
しばらくして、
【今日はもう終わった】
その返事に思わず声を出しそうになり、慌ててにやけそうになる顔を叩いた。
【じゃあ、買い物付き合って】 
【仕方ないな。じゃあ16時に駅で待ち合わせな】
【了解!】

そのやり取りを終えると、ウキウキしながら帰り支度をしていた。
「塔子、その顔は大介さんと会うの?」
何でもお見通しの翠に言われて、私は隠すこともせず満面の笑みを向けた。
「そう、買い物行くの」
「へえ、よかったね。なんだかんだ言って大介さんて塔子に甘いよね」
その言葉に曖昧な笑顔を向けると、
「翠、ごめんね。じゃあ行くね」
「はいはい。また明日ね」