「さあ、ここが俺の家だよ。」

青年はミンを静かにタオルの上に降ろした。
気づけばミンは寝てしまっている。
キズに触れぬよう青年は優しくミンを撫でた。

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「「あれ・・・?ここはどこ?」」

目を覚ましたミンは辺りを見回した。森の中ではないことだけ分かった。

「あ、目が覚めたのか?」

ミンは声のする方とは反対方向に慌てて身を潜めた。

「「え?何・・・? 誰?」」

警戒しながら恐る恐る様子を伺う。

「あぁ、ごめん。びっくりさせちゃったよね・・・?
大丈夫だよ。何もしないから。」

そこに立っていたのは森の中で出会った青年だった。

「「そっか・・・。私、この人間に助けてもらったんだ。」」

「ここは俺の家だから、さっきみたいに怖い思いはしないと思うよ。そのケガが良くなるまで俺が面倒みるから。」

青年はそう言うと、ミンに向けて手を差し出した。恐怖を感じない優し気な雰囲気の青年から差し出された手にミンは少し近づいた。
鼻先をチョンと触れてみる。

「「あ、あたたかい。優しい匂いがする。」」

その光景に驚いたがすぐにふわりと微笑み「よろしくな」と静かにミンの頭を撫でた。