大嫌いなあなた


泣き虫先輩といじめっ子花ちゃんを見てため息を零した瞬間、タイミングよく私のiPhoneが電話を知らせた。

メンチを切っている花ちゃんと先輩を放って私は電話に出た。

「もしもし」

iPhoneを耳に当てると何も聞こえてこない。

「もしもーし?」

『…か、ほちゃん…?」

やっと聞こえてきた相手の声は絞り出したようなとても小さく、今にもなくなってしまいそうなだった。