大嫌いなあなた


「あっ、もい一個あった!」

そう言ってもう一つレモンの飴をくれた。

…レモンもイチゴもそんなに好きじゃない。

先輩ってばなんでこんな甘い飴ばっかり持ってるんだろうね。

「なら私もこれあげます」

そう言ってカバンを漁り先輩に飴を一つあげた。

「…爽快ミント味…」

「お嫌いですか?」

「…歯磨き粉かよ」

ならいらないなら返せよ。

先輩は飴の袋をぺりぺりと剥がし、口の中に放り込んだ。

ミントの匂いがこっちにまで臭ってきた。
タバコ臭かったし丁度いいんじゃない?