「随分と遅い登校ね」

教室に入ると担任の山本先生が教卓の前で腕を組んでいた。

「HRに遅刻とは…いい度胸ね」

ふふふっと君の悪い笑い方の先生はやっぱり厚化粧で決して綺麗ではない。
…かと言ってブスでもないけど。

いつもなら言い返して争っていたけど今日は色々あり過ぎて疲れていたので山本先生の前をスルーして自分の席に着いた。

「どうしてしまったの広瀬さん、松川さん」

呆気に取られている担任を無視して席に突っ伏し瞳を閉じた。