シンッとした空間で最初に口を開いたのは安浦だった。 「俺、瀬橋組の若頭なんだよね」 「…え?」 「…瀬橋組って…」 私達が戸惑うのも無理はない。 瀬橋組ってここら一帯ではかなり大きい勢力のある組だって知ってるから。 「俺さ、妾の子なんだよね」 あ…いつもの悲しい笑顔になった。 「今は本妻の息子が組長になってんだ。 俺はその補佐任されてんだよ」 無理矢理にでも笑おうとする安浦に私は近寄った。