「ここはのどかでいいね。っつても組長の別荘なんだけど」
そう付け加える庵治さんに笑ってしまった。
「荷物整理は俺らに任せてゆっくりしといてね」
「すみません」
荷物整理は後からやって来きてくれた先輩と元気さんがやってくれた。
最近では悪阻が酷くて目の下にクマができて食欲がなくなった。
1日の半分を寝ていることが多くなった私を気にかけて誰かしらが看病に来てくれている。
「早く元気な子供産めよ」
「はい!」
元気にそう返すと微笑んでくれる先輩。
「ご飯は俺に任せて」
腕まくりをして鍋を片手に持っている庵治さんに、
「ラーメン…食べたい」
お腹の音をぐーぐー鳴らす元気さん。
ソファの上で眠る龍太さん。
龍太さんに至ってはただ眠りに来ているだけだと思う。
心強い人たちに恵まれ、私のお腹はすくすくと大きくなっていた。