「引っ越しはこれくらい?」

「はい、ありがとうございます」

学校を辞めて、家に着くと荷物をまとめている先輩と庵治さんがいて、なぜか元気さんまでもがいた。

「あ、元気さん…」

「身体大切にしろよ」

そう言ってブランケットを肩にかけてくれた元気さんは優しくて、頼もしかった。

「さ、行こうか。」

荷物を業者の人に渡し終えると、庵治さんの車に乗り込み新しい家に行くことにした。

「何かならにまでありがとうございます」

車に乗り込むとタバコを吸っていた龍太さんと目があった。

「ああ」

その一言だけの会話だったんだけど、なぜかすごく安心した。

それから揺られること1時間半。

見知らぬ街に来た。