「この子に会ってみたいって気持ちがあるのは私のわがままなんでしょうか」
ポタリと膝の上に落ちた涙。
この涙の粒が赤ちゃんなら私は優しく受け止めれただろうか。
受け止めきれないのだろうか。
考えてもわからなかった。
「産めばいいだろ」
そう簡単に言葉にする龍太さんに呆気にとられてしまった。
この人は子供を育てるって意味をわかっているのだろうか?
「金の事が心配なのか?」
「それもありますけど…」
「金の心配はするな。俺が出す」
「…は?」
ガチトーンのは?が出てしまった。
「いいです、いらないです」
「産むにも育てるにも、降ろすにも金がいるだろうが」
…たしかにそうだと思う。
世の中金が全てだ。
金がないものは落ちぶれて、金があるやつだけが上に上り詰める。
世の中残酷なんだ。
「それとも隼人や大吾に知られたくねえからか?」
ガキが出来たこと、って確信をついてくる龍太さんはきっと安浦には言わないんだろうな。
「知られたくないって言ったら笑いますか」
笑ってくれたって構わない。


