「おっ、来た来た。夏帆っち龍くん来たってあれ?夏帆っち?」
咄嗟に本棚と本棚の隙間に隠れた私を探しに行った安西先輩は放っといて、問題はー…。
未だやむ気配がない黄色い声は段々と大きくなる一方で、気のせいか私へと近づいているようにも思える。
神さまどうか見つかりませんように…
手と手を合わせて神にお祈りをして目を瞑って本棚と本棚の間に身を潜めていた。
「夏帆嬢何やってんの?」
「…いや、えっと…」
「かくれんぼ?なら早く出ないとヤバイかもねー」
背後から姿を現した庵治さんは片手にスマホを持っていた。
「…かくれんぼなんかじゃ」
「ってかそんな事どうでもいいんだよ。夏帆嬢の事めっちゃ探したし」


