「あれ?夏帆っち?」
ジーザス。
「あれれ?また学校サボってるの?」
「…いえ」
クッソ面倒くさいなこの人。
ヘラヘラとチャラついた格好で友達であろう厳つい数人と漫画コーナーに立っていた安西先輩を偶然にも見つけてしまった。
「先輩こそなにしてるんですか」
あんた受験生でしょうが。
「俺ら就職先あるし」
「…へえ、そうなんですか」
心からどうでもいいことを言われた私の顔面は多分女として終わってる表情してると思うよ。
だってさっきから先輩の友達が私の顔を引き気味に見て来るもん。
「夏帆っち、今日他の奴らは?」
「さあ」
ちょ、なに気軽に肩なんて組んで来てるんだよ。


