「ごめん花ちゃん、私今日は帰るね」

放課後、花ちゃんと買い物にいく約束をしていたが病院に行くことを決心した。

花ちゃんや安浦、大吾には後で言うつもり。

だってまだ確信が持てないもの。

テストで午前中で授業が終わり、私は一目散に産婦人科へ向かった。

高校生の私、しかも制服で入ったが為に産婦人科内での周りの目が痛かった。

受付を済ませ、呼ばれるまで席についてぼーっと周りを見渡していた。

周りには二十代前半のお母さんが座っていてかなりお腹が大きく、もうすぐ生まれてくる我が子を愛おしそうにしていた。

「ねえ、あなた妊婦さんなの?」

二十代前半くらいの女の人は隣に座っていた私に話しかけてきた。

「あの…えと…」

どう答えていいのかわからない私は挙動不審にあたりをキョロキョロした。

「ごめんなさいね、聞いちゃまずかったかしら」

申し訳なさそうに眉を下げる女の人になんだか悪いことしてるみたいな気分になった。

「いえ、大丈夫です」