「着いたぞ」
なんの衝撃もなく車を止めた元気さんはかなり運転は得意のよう。
気がつけば屋敷の駐車場に居て、屋敷の門の前には庵治さんが手をヒラヒラさせていた。
能天気王子様か。
出迎えてくれた庵治さんの後ろには仁王立ちした花ちゃんと門の前でお気に入りのバットで音を立てて素振りをしている大吾のコンビが待ち構えていた。
「ちょ、安浦先に出てってよ」
「はぁ!?俺は生贄か!」
あんな鬼に立ち向かえるほど私のメンタル強くないんだよ!!
「はよ行け」
「「ぎゃあ!」」
車の陰に隠れて門付近の様子を伺っていた私達のケツを同時に押して前のめりに鬼達の前に突き出した元気さん。


