こんなのただの八つ当たりだってわかってるんだよ。 だけどね。 「龍太さんはまだ生きてるんだよ!ちゃんと自分の気持ち伝えて仲直りして来なよ」 本当は今すぐにでもお兄ちゃんに会いたい。 だけどもう会えない。 死んだ人に会えないんだよ。 「…ごめんな夏帆」 手を伸ばし後ろを向いて私の膝の上に置いていた手をそっと包み込んでくれた。 「わかってるなら仲直りしてよ」 「ああ」 安浦はきっとわかってる。 だからもう心配はしていない、龍太さんと仲直りしてくれるはずだから。