大嫌いなあなた


いやいや、テレビじゃないんだから今から捕まえるにしたって時間かかるんじゃ…

「俺の家ちょっと特別なんだよねぇ」

どこか寂しそうに窓の外を見つめる安浦。
前から度々家の事を聞くとこの表情で誤魔化されていた。

「家の人は?」

「来ないよ、誰も」

無理矢理にでもいつもの笑顔になろうとする安浦に花ちゃんは渾身の一撃を食らわした。

「ちょ、花ちゃん!?今コイツケガ人…って花ちゃん…?」

「………バカ………」

安浦を殴った花ちゃんは地べたに座り込んで目には溢れんばかりの涙を浮かべていた。

「…最初刺されたって聞いた時…凄く怖かった」

「…うん」

「死んじゃったかと思った…」

「うん」

「…生きててよかった…」

そう言って花ちゃんは安浦を抱きしめた。
そりゃそうだよね、心配して走ってきた私も含めてみんな安浦大好きだもんね。

目一杯抱きしめられて照れ臭そうな安浦は私と大悟を見て苦笑い。