「…もう用はないでしょ?なら出てって」 あと少ししかない。 もうあと数秒で涙が出てくる。 重い女で終わらせたくないの。 お願い、待って。 「ちょ、夏帆…」 「出てって!」 歯切れの悪い顔をしている安浦と目を合わさないように玄関の扉を開けて外へ出した。 龍太さんは私に興味がないのか無言で出て行ってくれた。 「ごめんなさい…」 扉越しに謝ったのは臆病な私を見ないで欲しかったから。 その言葉が聞こえてるのか危ういがこの際、聞こえていない方がありがたかったかもしれない。