「なにー?」 明るく問いかける私に、無言で安浦を見ている龍太さん。 「兄貴も夏帆も…なんなんだよ!」 近くにあったゴミ箱を蹴り物を散乱させた。 その姿がどことなく寂しげに見えた。 「勝手に決めつけんなよ!」 今まで募ってきたものが今爆発したかのように堰を切ったようように饒舌な怒りを言葉にする安浦。 「俺は若頭なんてどうでもいんだよ!みんな勝手過ぎんだよ!俺の人生ぐらい自分で決めさせろよ!」 苦しそうに顔を歪めて怒る安浦に、私は何故か心が締め付けられた。