大嫌いなあなた


「何言ってんだよ…」

自分の兄が言っていることを嘘だとは多分思っていない安浦。

だけど、私のことも疑えないんだね。

優しい安浦。

「そんな誰にでも股開く女庇ってお前に何の得がある」

辛辣な言葉を並べ私自身を否定してくる龍太さん。

「兄貴!…」

「本当だよ」

今にも龍太さんに殴りかかりそうな安浦を制し、口を開いた私に二つの視線が集まる。