「何も知らねえんだな」 そう嘲笑うかのように鼻で笑った龍太さんはチラッと私を見てタバコを足で踏みにじる。 室内なのにタバコを床に落とす辺り、相当性格悪いよ。 誰が片付けすると思ってるの、なんてこんな時に考えてたなんて口が裂けても言えない。 「兄貴は何を知ってんだよ!」 何も知らない自分に苛立っている安浦を面白がるかのように人を見る。