大嫌いなあなた


「別にって…これは無理やりだろ!」

声を荒げる安浦を初めて見た。

「そんな汚れた女いらねえだろ」

“汚れた女”

安浦には知られたくなかったことだった。

「汚れた女?」

そう問いかけた安浦は何も知らない。

私が適当な男とホテルでヤってたなんて。

怖くて知られたくなかった。

動揺を悟られないように手をグーにして自分の服の裾を握りしめていた。