「なんでですか?」

到底お金に困って辞めると言うわけじゃなさそうな感じだし、病気なんてわけない。

「若頭の仕事をしてもらう」

「…は?」

家の仕事をするから学校を辞めさせられるの?

「安浦はいいって言ってるんですか?」

今日会った時には何も言ってなかった。

「話してねえ」

話してないのに勝手に決めたの?

「安浦に学校辞めさせないで下さい」

「安浦じゃねえ、瀬橋隼人だ」

イライラが募り、安浦の事を隼人と呼ぶことを忘れていた。

いつか言ってた、安浦が家では隼人と呼べって言ってた。