三人と別れて家に帰ると、玄関に人影が見えた。
「…龍太さん?」
見覚えがあるシルエットに小さく呼んでみた。
すると龍太さんは吸っていたタバコを地面に落とし静かに私を見た。
その目が“あの時”と被る。
「どうしましたか…?」
語尾の方は小さくて聞こえたかわからない。
あの日、辰治さんが目の前で殺されてから一度もあっていなかった龍太さん。
「どこ行ってた」
「…っ」
相手を威嚇し、咬み殺すかのような鋭い視線に“あの時”のような声を出した龍太さんに足が震える。
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