大嫌いなあなた


「……………」

いや、人なんだけど…

「………綺麗」

そう、めちゃくちゃ綺麗な男の人。
例えるならバービー人形男版!!
…嘘、似てないけど。

ずっとこっちを睨んでくる男の人。
謝ることをしてない私。

「すっすみません!!ボーッとしてて…」

すぐさま謝罪をするも無反応でこちらを凝視している男。

やばいっ!男のビシッと着こなしたスーツには私がデパートで試供品を塗ってもらったリップがクッキリ付いている。

これに怒っているのか…?

「お前」

「ひゃひゃい!!」

突然話しかけられてあまりの怖さに舌を噛んでしまった。

ギロリと私を見る瞳は黒くどこか鋭かった。

「広瀬夏帆か?」

「……へ?」