『早く』

そう言うお兄ちゃんの顔を見れば優しかった笑顔は跡形もなくなっていた。

『嫌だ!』

行きたくないと伝えれば、悲しそうな顔をし口を小さく開いた。

『俺を殺したのはー…夏帆、お前だ。』

ドンっと黒い沼に落とされ息が苦しくて溺れていく。

ぼやける視界にお兄ちゃんは口角を上げて微笑んでいた。