『お兄ちゃ…』 抱きついていたはずのお兄ちゃんは気がつけば遥か遠くにいて。 私の周りは闇に包まれていた。 『夏帆』 ヌッと暗闇から手が出てきて私の腕を掴む。 『夏帆』 『い、いやっ!』 『瀬橋組は楽しいか?』 ニヤッと笑う辰治さん。 『龍太と隼人は元気か?』 ギリギリと腕を掴む力を強めていく辰治さんはニヤニヤと気味の悪い顔で私を見る。