大嫌いなあなた


「夏帆嬢、何でも相談してくれよ」

力になるよ、って言ってくれた庵治さんは敬語ではなくなっていた。

連絡先を交換し、別れようとした。

「…俺は?」

影からニョキっと姿を現した元気さん。

驚きのあまり心臓止まるかと思った。

「元気さん」

「達者でやれよ」

握手を求めてきた元気さんの手を握り返した。

「ありがとうございます」

元気さんとも連絡先を交換し、私たちは別れて玄関へ向かった。