大嫌いなあなた


完全に涙が引っ込んだ頃にはまた喉がカラカラになっていた。

おいおい、さっき摂取した水分がものの数分でなくなったぞ。

返せ水分を。

「もう大丈夫だから」

そっと安浦の身体から離れると、顔を上げ安浦を見つめた。

「ありがとう」

笑ってそう返すと安心したように笑い返してくれる安浦。

「ごめんな夏帆」