足の長ーい安浦と違って、足が短い私にはそのペースは速いんだって。

思わず安浦の裾を掴むと「悪い」と言ってペースを私の歩調に合わせてくれた。

「夏帆には悪いけどこれからああ言うの見ても絶対に話しかけるなよ。それと近寄るな」

「どうして?」

「組長ってだけで狙われる兄貴と一緒にいると夏帆まで危ない目に遭っちまうからな」