だけど宝物のピアスは一回もつけていない。 いつも持ち歩いているそのピアスをそっと耳に付けた。 「…形見なの」 お兄ちゃんの、と付け足し笑った私に何を思ったのだろう。 「そうか」 スッと安浦は私に背を向けた。 それは安浦なりの優しさだったんだと思う。