完璧秘書の可愛い弱点

『...それじゃあ、そろそろ仕事に戻りましょうか』

大幅に時間がオーバーしてるし...ああ、社長に怒られてる自分が目に浮かぶわ...

「あーー!!すいません!僕のせいで時間がこんなにも...!」

あ。焦ってる。ちょっといたずらしちゃお...

『そうよ、柏木君のせいよ?』

そしたら案の定、

「うう...ごめんなさい...ど、どうしたら許してもらえますか!?」

と、泣きそうな顔で言われた。やり過ぎたかしら?

『...この会社の近くに最近できたレストラン、気になってるのよね~...』 

「あっ...はい!奢ります!いや、是非とも奢らせてください!」

あら、やっぱりやり過ぎたわね

『ふふっ、良いのよ。ただまぁ...今度からは、真正面からぶつかってきなさいな』

好きでいるのは自由だからね

「はい!どんどんどんどん真正面からぶつかります!」

ちょっと調子乗っちゃったみたいだけど。私がこう言ったのはきっと、自由に恋愛ができる柏木君が、羨ましかったから...かしら

そんな風に考えていると、音楽が流れてきた

そう、お仕事再開の音楽が...

それを聞いた私達は、二人で顔を真っ青にし、同時に駆け出した

ヤバい、ヤバいわよ、怒られるだけじゃ済まない!解雇よ、解雇よ!

必死に走っていると、きちんと前を見てなかったからか、誰かとぶつかった

相手の息も荒いので、理由は知らないが私と同じように急いでいたのだろう

『すいませ...っ!?』

顔を上げると、そこには毎朝見る顔があった

しばらく沈黙が続き、耐え切れない...そう思い、口を開こうとすると...

『社長...?』

突然社長が腕を掴み、歩き出したのだ

着いたのは先程まで居た第一会議室

他の人達は当然仕事をしているため、辺りは静まり返っている