完璧秘書の可愛い弱点

「にしても藤堂の家、広いな」

『そうですか?社長の家の方が広いでしょう』

「藤堂また社長になってるぞ」

『あ、ああっすいませんしゃ...じゃなかった零さん』

「次俺と二人の時に社長って言ったら...」

『言ったら...?』

言ったらのところで言葉を区切り、無言でほくそ笑む零さん

...ちょっと、いやかなり怖い

『わ、分かりましたよ!ちゃんと零さんって呼びます!』

「ならよろしい」

今度から零さんに逆らうのはやめよう、絶対に

「そろそろ俺は会社に戻る。俺が来るまで安静にしとけよ?」

『分かってます。いってらっしゃ...』

...零さんが行っちゃったらここに一人...?

なんか...寂しい...かも...

「藤堂どうした?」

やっぱり、

『行かないで、ください...』

意外すぎる言動に零さんの目が見開かれる

自分でもこの状況に驚いている

今、私は社長である零さんの服の裾を引っ張って引き止めてるのだから

「...藤堂、スマホ貸せ」

我に返った零さんが言う

『え、ど、どうしてですか?』

「いいから」

『あ、はい、どうぞ』

私は意味が分からないまま、零さんにスマホを差し出す

「ん、これでいい」

『何をしたんですか?』

さほど時間もかからなかったから、余計気になる

「今日中に分かる、んじゃ...」

やっぱり行っちゃうんですね...と眉を下げる

すると...

『なっ、何するんですか...!?』

零さんがいきなり頭を撫でてきた

「すぐに...来るから」

そこで、私は零さんに迷惑をかけていることに気付いた

『あ...引き止めてしまってすみません!...いってらっしゃい...』

「ああ、行ってくる」

零さん...もとい社長は会社に行った