佑真先生は、あたしが初めて病院に来て、亮樹兄ちゃんにお世話になり始めた頃からあたしのことを知ってる。




だから…あたしに、なのかな?



佑真先生は、歯切れ悪そうに言う。





「ほら…桜ちゃんなら、ヒカリちゃんの今の心境のこと…分かってくれるのかなって思って。

勝手なお願いだけど、頼んでもいいかな?」




そう、だよね…。



だから佑真先生はあたしに頼んだんだ。





あたしも、今までさんざんお世話になったぶん…役に立ちたい。




そんなことを考えていて、気がつけば口が勝手に動いていた。





「はい、もちろんです!」





佑真先生はまた、微笑んだ。





「ありがとう、桜ちゃん。」